山うにへの想い
山うにに惹かれた理由
山うには、元々、福井県鯖江市河和田地区の山沿いに住んでいた先人達の知恵から考え創られたものです。
食べ物が不足していた大昔、保存食として大自然の中で育っていた、ゆず、赤なんば、塩、赤唐辛子を擦りあわせて作ったものです。
ご飯にのせたり、味噌汁に混ぜたり、お漬物に合わせたりと色々な食べ方で親しまれてきました。
山うには、おばあちゃんの、そのまたおばあちゃんがずっと昔から作ってきた方法です。一つ一つ丹精込めて、家族みんなが越前の寒い冬を越す為に、必要な栄養を取ってもらおうと、気持ちを込めて創った宝です。
そんなかけがえのない宝を、私は愛しております。先代の方々の想いも込めて山うにを広めようと決めました。
私が山うにの販売を始めた理由
ふるさとに元気がなかった・・・
私は、福井県鯖江市河和田地区で生まれました。河和田地区の自然の中で友達と遊んだ毎日は本当に最高の思い出です。田舎だからこそできる楽しい遊びもしてきました。
そして、高校卒業後10年間県外で過ごしました。が、やはり郷土のために働きたいとの思いから河和田に戻り生活を始めました。
久しぶりに河和田で過ごして感じたこと。それは・・・
自分が大好きだった河和田に元気がなかったこと
人口は減り、若者も減って、地区全体に活気がないような感じがしました。
友達も、仕事や生活に精一杯で、将来に夢や希望を描く余裕がないように感じました。
自分のふる里を元気にしたい!
僕は寂しさと同時に「どうしてだろう?」という疑問が生じました。
河和田には、素晴らしい自然があり、漆器や眼鏡といった世界に誇れる伝統や技術もある。
なのに、どうして、もっと住んでいる人はそれを誇りにできないのだろう?
もしかしたら、私達のような若手層は、河和田の自然、伝統、技術に誇りを持っていないのじゃないか?
と気付いたのです。
ついに出会った元気の源
「なんとか、河和田をもっと元気に楽しくしたい。」
「昔のように、友達と遊んだり、夢を語ったりしたい。」
そんなことを考えていたある日。
私は、河和田の宝にふとしたことで気付いたのです。
それが、山うにです。
家で家族と焼き鳥を食べている時、久しぶりにテーブルの上にあった山うにを付けて食べてみました。
それが、もう、ものすごく美味かったのです。
正直な話、子供の頃は山うにの風味や味がとても苦手でした。
おばあちゃんが「体に良いから食べな」と言って作ってくれていたことに対し、反感すら感じていました。
なので久ぶりに食べて「山うにって、こんなに美味しかった?」
と感じました。それからというもの、色んな料理に山うにを足して食べるようになったのですが、本当に美味しい。
ワサビや辛子や唐辛子は、日本中で食べられている。
でも、山うにを食べているのは、河和田の人だけ。
もったいない。こんなに美味しいものを一人でも多くの人に味わって頂きたい。
それから、山うにのことを調べていくうちに、山うには、三百年以上昔から伝わる河和田の伝統の味ということを知りました。
特に大きな宣伝も流行もなく、ずっと残ってきた山うに。
これはとても凄いことだと思いました。
その理由は、山うにが本当に美味しくて、本当に体に良いからです。
山うにの美味しさを伝えることを仕事にして、もっと沢山の人に河和田の素晴らしさを知ってもらいたい。地域と山うにを継承してくれた先人の方々に恩返しをしたい。
そう思って、会社を立ち上げました。
山うには、私にとって単なる薬味ではないのです。
河和田を、越前の國福井を元気にする宝。
これから生涯をかけて良いブランドに育てたいと思います。
(株)越前隊 関和宏